日本保健科学学会誌
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足関節運動の視覚誘導性自己運動錯覚が運動イメージに与える影響
酒井 克也川崎 翼池田 由美
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2019 年 21 巻 4 号 p. 208-214

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抄録

視覚誘導性自己運動錯覚(Kinesthetic illusion induced by visual stimulation:KiNvis)とは、自己の身体運動の映像を観察することで、錯覚が生じることである。本研究はKiNvis が運動イメージ能力に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。対象は健常人20 名とし、2 群(KiNvis 群、コントロール群)に割付けた。KiNvis 群は足関節運動のKiNvis を5 分間実施し、コントロール群は足関節の静止画を5 分間観察した。評価項目は運動イメージ能力を反映するMental rotation(MR)反応時間を課題前後に測定した。その結果、MR 反応時間の改善量は、コントロール群は平均0.04 ± 0.07 ms であったが、KiNvis 群では平均0.13 ± 0.08 ms であり、KiNvis 群において有意に改善した。KiNvis は運動イメージ能力を反映するMR の反応時間を改善させることが示唆された。

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2019 日本保健科学学会誌
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