日本保健科学学会誌
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慢性疼痛患者の集学的治療標本における疼痛生活障害評価尺度(Pain Disability Assessment Scale)の因子構造モデルの検討
太田 晴之齋藤 圭介原田 和宏京極 真
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2020 年 23 巻 2 号 p. 51-59

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抄録

〔目的〕本研究では,慢性疼痛患者に対する活動能力向上を指向した集学的治療に資する測定指標を得ることをねらいとして,集学的治療での標本における疼痛生活障害評価尺度(Pain Disability Assessment Scale: PDAS)の構造的妥当性ならびに適切な項目編成について検討することを目的とした.〔対象と方法〕解析対象者は当院の慢性疼痛外来を受診した患者のうち,PDAS の初期評価が可能であった 237 例とした.PDAS 初診時のデータを用い,各項目分布を検討した.項目得点多列相関係数を算出し項目反応理論を用い探索的因子分析を実施した.次に確認的因子分析(CFA)を用い構造的妥当性を検討した.併せて信頼性係数を検討した.〔結果〕PDAS の適切な尺度編成は 2 次 3 因子 13 項目 で構成された.CFA における適合度は Compressive Fit Index=0.97,Tucker-Levis Index =0.97,Root Mean Square Error of Approximation =0.07 と統計的な許容水準を満たした.〔結語〕慢性疼痛患者を測定対象とする適切な項目で編成された構造的妥当性,内部一貫性の高い修正因子構造モデルが構築可能であった.

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2020 日本保健科学学会
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