2021 年 23 巻 4 号 p. 170-175
【目的】極低出生体重児に対する継続的な枕の使用が頭部変形と粗大運動発達へ与える影響について明らかにすることである。【方法】デザインは前後比較試験とした。対象は、神経学的異常を認めない極低出生体重児 9 名とした。2019 年 4 月より枕の使用を開始し、使用期間は新生児集中治療室退院時から修正 3 か月までとした。対象を枕の使用を開始する以前の枕なし群 4 名、開始後の枕あり群 5 名の 2 群に分類した。評価は、修正 3 か月に頭部変形評価、粗大運動発達評価を行い 2 群間で比較した。【結果】枕あり群は、枕なし群に比べ修正 3 か月での頭部の非対称性の変形が少なかった。粗大運動発達は 2 群間で有意差を認めなかった。【結論】神経学的異常を認めない極低出生体重児に対する継続的な枕の使用は、修正 3 か月の非対称性の頭部変形の軽減に有用であるが、粗大運動発達へは影響しない可能性が示唆された。