2021 年 24 巻 2 号 p. 86-92
本研究は、介護予防教室に参加した高齢者の運動イメージと運動機能の関連性について検討した。対象は 65 歳以上の高齢者で、介護予防教室に参加した 36 名とした。
方法は、運動イメージと運動機能の関連性を検討するために、運動イメージは、幼児運動イメージテストを用いて評価した。運動機能は、片脚立位テスト、30 秒椅子立ち上がりテスト(CS30)、Timed Up & Go test(TUG)を用いて評価した。次に、運動イメージ総得点と年齢、片脚立位テスト、CS30、TUG の各評価項目間の相関は Pearson の相関分析により検討した。
その結果、CS30 と TUG の間には有意な相関を認めた。また、運動イメージテストの総得点と CS30、TUG の間に有意な相関を認めた。以上のことから、CS30 のように自分のペースで立ち上がりを行う動作や TUG のように起立、移動、方向転換、着座のように複数の動作を必要とする項目には筋力や平衡機能だけでなく運動イメージが大きく関与していると思われた。