2021 年 24 巻 3 号 p. 191-202
硬膜外麻酔分娩時の分娩進行の助産ケアについて、硬膜外麻酔分娩が主流の出産方法である欧米の文献を検討した結果、第 1 期の歩行に関するコントロールスタディ 3 件、第 1 期の姿勢に関するコントロールスタディ 4 件、第 2 期の体位のコントロールスタディ 3 件、第 2 期の努責の時期のコントロールスタディ 1 件を含むコントロールスタディが 11 件、質問紙調査 1 件、事例報告 1 件、コクランシステマティックレビュー 6 件の 19 件が抽出された。
遷延分娩のリスクがある硬膜外麻酔分娩の助産ケアとして産婦の歩行やピーナッツボールなどを用いた体位の工夫、努責を開始する時期の検討があった。歩行や体位の工夫は、産婦の意向や麻酔薬による運動神経・感覚神経のブロック状態が影響するため、麻酔薬の影響性を観察しながらの安全性の担保が重要と考える。さらに、第 2 期の努責開始時期に関しては、生理的努責感以外の努責開始時期の根拠性や指標を示す必要がある。