日本保健科学学会誌
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一総合病院の看護職を対象とした退院計画に関する実態調査
今泉 亜矢子結城 美智子
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キーワード: 総合病院, 看護職, 退院計画
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2006 年 8 巻 4 号 p. 201-209

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抄録

本研究は,看護職が行っている「退院計画」の実態を把握し,効果的な退院計画のあり方について検討することを目的に行った。東北地方にある一総合病院に勤務する看護職362名を対象に,自記式質問紙を用いた留め置き法で実施した。調査内容は,基本的属性,退院計画の実施・時期・困難な点,他職種との連携であった。分析の結果,以下の知見が得られた。(1)約半数の看護職は退院計画を実施した経験があるが,その取り組みの時期を遅いと判断していた。(2)患者・家族の参画を重要視していた。(3)困難と感じていることは,他職種との連携,退院指導の時間不足,および家族との関わりであった。以上より,退院計画は入院当初より必要であるが,患者の担当看護師が個人の力量だけで退院計画を実施することは困難であり,効果的な退院計画をおこなうためには病院内における職員の共通理解とシステム化することの重要性が示された。

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2006 日本保健科学学会
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