Journal of Hard Tissue Biology
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原著
インプラント術の臨床病理学的予後判定基準について
—病歴と生検の病態·病理所見から—
久場 兼一郎片桐 正隆
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2007 年 16 巻 4 号 p. 157-171

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抄録

本研究はインプラント術の質的向上を目的として以下のような予後判定システムのプロトコルを提案した。片桐(2002年)の提案による腫瘍の有無により症例を大別し,以下のbiopsy factor·5items(B1~B5)を抽出し,それぞれのポイントを4段階(0~3)のスコアで判定した。
B1: インプラント周囲炎(非特異的反応)の有無と程度
B2: 重大な感染やアレルギーを疑う特異的反応の有無と程度
B3: インプラント周囲上皮関与の有無と程度
B4: 骨の吸収·破壊の有無と程度
B5: インプラント不安定化の有無と程度[但し,臨床的な安定状態のkey pointには骨性被包が線維性被包より優位か否かによって判定した]
なお,判定に必要な染色方法の選択には経済性を考慮し,一般形態染色にはHE染色とAzan染色が,真菌や一般細菌にはPAS反応とGrocott染色が,上皮や免疫担当細胞などの確認には免疫染色 (AE1/AE3) が有効であった。

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© 2007 硬組織再生生物学会
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