Journal of Hard Tissue Biology
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原著
多目的K式歯科用内視鏡の臨床応用のための基礎的研究
—透照的齲蝕検知法に回転切削器具と超音波切削器具を連動したシステム—
土井 美麻子片桐 武美片桐 正隆
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2007 年 16 巻 4 号 p. 185-194

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抄録

齲蝕は保存的修復の対象となり,その拡大·進展に伴い,歯髄炎や歯周炎の原因ともなり,相互に関連の深い危険因子を共有する多因子疾患であるともいえる。これらの疾患は乳歯列期と混合歯列期から始まり,一部の急速に進行する場合を除いて,その多くは永久歯列期以後に慢性化し,歯を喪失して無歯顎に至るまでの長期間に拡大·進展する。狭い口腔内で一般的に用いられている回転切削器具は,反射が遅れる老人や,逆に不用意に活発に動く小児では舌,口唇,歯肉,頬,口底などの口腔粘膜を損傷するリスクが高い。この問題を改善するために,回転切削器具に超音波切削器具を加え,多目的K式歯科用内視鏡のライトガイド部を応用して得られる透照効果による非破壊的齲蝕検知法を併用するシステムを考案し,in vitroのモデル実験を行った結果,臨床に有用な知見が得られたので報告する。

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© 2007 硬組織再生生物学会
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