主催: 日本ヒトプロテオーム機構
膵癌は最も予後の悪い癌の一つであり、ほとんどの化学療法や放射線療法が効果が無く、早期の外科切除が唯一の有効治療法となっている。最近、膵癌に唯一有効性が認められる化学療法剤gemcitabineが用いられるようになってきたが、平均生存日数は未だ7ヶ月未満である。それゆえ、加療予定の患者の膵癌細胞がgemcitabine感受性か否かを予め知っておくことが、有効な治療法を行う上で非常に重要となる。 今回我々は4種類のgemcitabine感受性膵癌細胞株と2種類の抵抗性膵癌細胞株を用いて二次元電気泳動法と質量分析法によるプロテオーム解析を行ったところ、感受性膵癌細胞株と比較して抵抗性株でその発現が増強している蛋白質が4種類、減弱している蛋白質が5種類同定された。