主催: 日本ヒトプロテオーム機構
ゲルプロテオミクスにおいては、従来泳動後のゲルをクマシーブリリアントブルー(CBB)などの染色剤あるいは銀染色による染色処理を行い、ゲル内のタンパク質のバンドやスポットを可視化し、解析を行ってきた。しかしながら、CBBでは検出感度が低く、銀染色では染色特異性及びダイナミックレンジが狭いという問題があり、ゲルプロテオミクス解析のボトルネックとなっていた。近年登場した蛍光染色剤は感度及びダイナミックレンジの問題を解決し、ゲルプロテオミクスの解析力を大きく改善したが、専用のスキャナは高額かつ大型であり、蛍光染色の普及は限定的となっているのが現状である。今回我々は、新しいコンセプトの電気泳動ゲル用の蛍光スキャナを紹介するとともに、その能力をSyproRuby (Invitrogen)およびFlamingo(Bio-Rad)蛍光染色剤を用いて評価したので報告する。