日本プロテオーム学会大会要旨集
日本ヒトプロテオーム機構第7回大会
セッションID: EL2
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教育講演
プロテオーム研究において二次元電気泳動が果たしてきた役割と今後の課題
*戸田 年総
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抄録

 1990年代にスタートしたヒトゲノム計画は2003年に全作業が終結し、結局ヒトの遺伝子は高々2万数千であることが明らかとなったが、alternative splicingやprocessing, 翻訳後修飾などの結果、実際に細胞内で機能しているタンパク質の数は少なく見積もっても10万種以上はあるものと推定されている。折しもヒトゲノム計画の真っ只中でスタートしたプロテオーム研究(特にヒトプロテオーム研究)は「ヒトゲノムの翻訳産物を網羅的にプロファイリングしよう」という考え方に基づくものであり、そのための網羅的なタンパク質分離分析手法として最初に選ばれたのが二次元電気泳動であった。その後様々な技術開発やシステムの改良がなされ、LC-MS/MS法によるショットガンプロテオミクスや、SELDI-TOF-MS法に代表されるプロテインチップを用いたプロテオミクスなど、二次元電気泳動に依らないプロテオーム解析も盛んに行われるようになったが、いまだに二次元電気泳動には他の方法にない多くの利点や特長があり、今後もプロテオーム研究のコア技術の一つとして利用され続けることは間違いない。そこで本講演では、二次元電気泳動の特長をあらためて見直しながら、『プロテオーム研究において二次元電気泳動が果たしてきた役割と今後の課題』について議論してみたい。

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© 2009 日本プロテオーム学会(日本ヒトプロテオーム機構)
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