抄録
医師の働き方改革の議論は、勤務医の労働基本権、人権を守ることを第一になされるべきである。今日、国は働き方改革をも医療費適正化の手段として活用しようとしており、それが真に医師の労働条件改善につながるものなのか、懸念される。一方、勤務医の労働条件改善を梃子に、これまでの開業医の仕事が否定されかねない状況がある。それに抗するためにも全国保険医団体連合会が2016年10月に公表した「開業医の臨床推論技術と『保険医』意識の形成過程とその実態に関する意識・実態調査」結果から、開業医による医療の意義を紹介する。