抄録
本研究では,埋戻し地盤において埋戻し部分およびその周辺部分の乾燥密度がアンカー引抜き抵抗力に及ぼす影響について,1g重力場の模型実験および弾塑性有限要素解析から検討を行った.実験は,埋戻し部分密詰め,周辺部分緩詰めと埋戻し部分緩詰め,周辺部分密詰めの2種類の地盤について行った.アンカー直径と埋戻し部分の直径は,ともに等しく5cmとした.地盤の積み上げ高さは10cmで,使用した試料は豊浦標準砂である.実験の結果,アンカー引抜き抵抗力は,アンカー直上部の砂の密度が小さいにもかかわらず,埋戻し部分緩詰め,周辺部分密詰めの地盤の方が大きくなった.弾塑性有限要素解析において検討を行った結果,実験と同じ傾向を示した.