1978年の宮城県沖地震以降、近代都市を襲った大地震では、丘陵地を造成した宅地(特に谷埋め盛土区域)で大きな被害が発生している。そこで、筆者らは震災対策として、仙台地区における宅地造成地の切土・盛土区分図を作成した。本研究では、この造成宅地地盤図を用いて実際の宅地をモデル化し、幾つかの地震波を入力してシミュレーション解析を行なった。その結果、盛土などの人工地盤の地形を反映して地震波が増幅すること、及び、地震波の性質によって同じ場所でも揺れ方が異なる結果を得た。本研究結果は、今後、安心・安全な街づくりのための宅地造成地のあり方や、造成後の宅地における有効な使い方の指標検討のための基礎検討となることが期待される。