2003年5月26日、三陸南地震によって築館流動性地すべりが発生した。地すべり地は火山砕屑物で谷埋め盛土が行われた場所であった。その運動機構を解明するため、現地の土試料を用いて三軸CU試験を行った。拘束圧p0を変化させた試験では、低い拘束圧(p0=25kPa)でも粒子破砕が生じた。一方、軸ひずみ速度を変えた試験では,速度が大きいほど、大きな過剰間隙水圧が発生した。よって、地震載荷による盛土斜面の液状化によって地すべりが発生し、そして運動中における粒子破砕現象及び地すべり土塊に生じるせん断ひずみ速度の増加によるさらなる間隙水圧の上昇が土塊の流動化を促進させたことが推測できる。