抄録
石炭火力発電所から排出される石炭灰中には、その種類によって微量ではあるが六価クロムやホウ素など、人の健康に影響を及ぼす物質を含有していることがわかる。そこで本研究では、石炭灰をプラントにて洗浄することを想定して、洗浄液に蒸留水を用い、超音波を作用させた洗浄実験を行い、六価クロムおよびホウ素の除去効果について実験的に調査した。その結果、超音波洗浄を繰り返し行うことにより六価クロムとホウ素の溶出濃度を低減できることが確認された。また、洗浄時の洗浄液のpH測定の結果から、洗浄環境がアルカリ性から中性に変化していくことが確認され、これに起因して洗浄効果が得られたと推測される。