環境汚染物質の地質媒体における挙動を予測する際、移流分散式(ADE)とよばれる支配方程式が従来広く用いられている。近年、これに代わる新しい支配方程式(fADE)が提案され注目されている。これは媒体中の流速分布がフラクタルな関数に従うと仮定することによって導かれるもので、ADEが実測データと合わなくなる領域をカバーできるものと予想されている。しかしながら、これは主に理論的研究であり、実験的検証はまだ進んでいない。そこで本研究では、実験との比較を行うことによりfADEを検証する。具体的には、東北硅砂を充填したサンドボックス型容器にトレーサー(NaCl 3%水溶液)を流し、得られた破瓜曲線を検討する。