抄録
セメント混合粘土試料を用いた一連の三軸ベンダー圧縮試験を実施し,セメント混合粘土の圧縮および非排水せん断特性を調べた.得られた実験結果から,圧密及びせん断中の粘土の0.0001%程度の微小ひずみでのせん断弾性係数Gの挙動を詳細に観察し,Gの変化に着目して,有効応力に対する変化によるセメンテーションの有無を同定する手法を模索した.セメントの混入により,圧縮時e~logp′関係には,見かけ上の降伏応力が発現し,その値はセメント混合率(重量比)に比例して大きくなることがわかった。また,見かけ上の過圧密比と非排水せん断強度比との関係に着目し,粘性土の力学特性に及ぼすセメンテーション効果の定量的評価法を検討している.