抄録
経口抗凝固薬のワルファリンカリウム (以下ワルファリン) は、血栓リスクの低減効果がある一方で、出血リスクを増大させるという副作用も軽視できない。今回われわれは、ワルファリンの効果過剰により喉頭粘膜下血腫を生じ、著明な気道狭窄を認めた症例を経験した。症例は 80 歳、男性。発作性心房細動に対する塞栓予防目的で、ワルファリンを内服していた。2009 年 3 月に入り痰に血が混じるようになったため、祐愛会織田病院耳鼻咽喉科受診。両側披裂部の著明な腫脹、粘膜下血腫を認め、緊急気管切開を行った。ワルファリン中止、ビタミン K 投与にて、喉頭の腫脹も徐々に改善し、気管切開孔が閉鎖となった。