2017 年 63 巻 3 号 p. 73-80
2011 年に提唱した急性上咽頭炎のスコアリングと、細菌感染症の重症度を示す指標である白血球数、c-reactive protein(CRP)との相関について後方視的に検討した。対象は 2015 − 2016 年に当院を受診した急性上咽頭炎症例 265 名である。上咽頭炎スコアと白血球数、CRP は正の相関を示した。上咽頭炎スコアが 0−3 点を軽症、4−8 点を中等症、 9−10 点を重症と判定し、重症度別に白血球数、CRP を算出した。軽症群、中等症群、重症群の 3 群間で白血球数、CRP は有意差を認めた。上咽頭炎スコアによる重症度分類は、急性上咽頭炎の重症度を適確に表していることが判明した。急性上咽頭炎の治療選択にあたり、上咽頭炎スコアは有用な指標となると考えられた。