耳鼻と臨床
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症例報告
一側輪状甲状筋麻痺に対する甲状軟骨形成術Ⅳ型の効果
李 庸學安達 一雄井口 貴史松原 尚子梅﨑 俊郎
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2018 年 64 巻 3 号 p. 108-113

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抄録

甲状軟骨形成術Ⅳ型は、外科的に輪状軟骨と甲状軟骨を接近させることで声帯の緊張を高め、話声位のピッチを上昇させる術式である。今回われわれは、高音が出せないという主訴の患者に対し、喉頭ストロボスコピーおよび喉頭筋電図検査を施行し、一側輪状甲状筋麻痺と診断し、甲状軟骨形成術Ⅳ型を施行した。術後、話声位、声域ともに改善し、最低音は維持した。高音発声、ピッチ調節においては、輪状甲状筋のみではなく、甲状披裂筋による stiffness の増減が大きく関与していると考えられた。

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© 2018 耳鼻と臨床会
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