耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
鼻副鼻腔結石の2例
小市 健一酒井 昇松島 純一藤村 裕小笠原 誠犬山 征夫山地 誠一
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 40 巻 1 号 p. 24-28

詳細
抄録
今回われわれは鼻腔および上顎洞の鼻石の2症例を経験し, 本邦における鼻石の統計的観察を行ったので報告した.
症例1は28歳女性で左鼻閉感の増悪と悪臭を伴う鼻漏を自覚し来院した. 左総鼻道下方に小指頭大の黄褐色の結石を認め, 副鼻腔断層撮影でも左固有鼻腔に石灰化陰影が確認された. 左鼻腔の鼻石と診断し, 局所麻酔下に結石を一部破砕して摘出した.
症例2は88歳男性で軽度の両耳閉感があり来院した. 右中甲介後方から鼻中隔に接して茶褐色の結石を認めた. 副鼻腔断層撮影, CTで右上顎洞内から鼻腔側壁を貫き鼻中隔に達する石灰化陰影を認めた. 鼻腔からの結石の生検で真菌塊を認め, 真菌に起因した上顎洞の鼻石と診断し, 全身麻酔下に上顎洞根本術を施行し摘出した.
本邦の鼻石症例153例について統計的に検討し, 鼻石の核および成因について考察した.
著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top