抄録
口腔,咽頭扁平上皮癌新鮮例30例についてパラフィン包埋ブロックからFlowcytometryを用いてDNA定量しDNA ploidyと化学療法の奏効率との関連性についてretrospeciveに検討した.aneuploid例は30例中24例80%にあつた.また化学療法有効例(cR,PR)は73%で無効例は27%であつた.両者の比較ではdiploid例は化学療法の有効例が33%であつたのに対しaneuploid例は有効例が83%と多く,aneuploid例がdiploid例より化学療法の奏効率は高い傾向にあつた.さらにaneuploid例はdiploid例より再発が多く制御率が悪いという結果を得た.今後さらに検討を要するが,DNAploidy解析が化学療法の効果予測,ひいては治療法選択に応用できるのではないかと考える.