耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
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口腔,咽頭癌のDNA ploidy解析
化学療法の奏効率との関連
福島 龍之安田 範夫中井 茂村上 泰久 育男
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キーワード: 口腔, 咽頭癌, 化学療法
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1994 年 40 巻 3 号 p. 434-439

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抄録
口腔,咽頭扁平上皮癌新鮮例30例についてパラフィン包埋ブロックからFlowcytometryを用いてDNA定量しDNA ploidyと化学療法の奏効率との関連性についてretrospeciveに検討した.aneuploid例は30例中24例80%にあつた.また化学療法有効例(cR,PR)は73%で無効例は27%であつた.両者の比較ではdiploid例は化学療法の有効例が33%であつたのに対しaneuploid例は有効例が83%と多く,aneuploid例がdiploid例より化学療法の奏効率は高い傾向にあつた.さらにaneuploid例はdiploid例より再発が多く制御率が悪いという結果を得た.今後さらに検討を要するが,DNAploidy解析が化学療法の効果予測,ひいては治療法選択に応用できるのではないかと考える.
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