耳鼻と臨床
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鼻科用ホスホマイシン(FOM)の臨床第1相試験
馬場 駿吉和田 純一平山 喜徳
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1995 年 41 巻 1 号 p. 73-79

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抄録
健康成人男子を対象とし, 鼻科用ボスホマイシンの1%溶液, 3%溶液, 5%溶液を単回, 5%溶液を連続5日間経鼻的に噴霧し, 本剤の安全性および血清中移行について検討し, 次の成績を得た.
1. 鼻内刺激感が5%反復投与で1例, 粘膜発赤・腫脹が単回投与の3%群で1例, 5 %反復投与で1例, 粘膜発赤が5%反復投与で2例あつたが, いずれも一過性で, その後消失した.
2. 肺機能検査, 鼻粘膜繊毛運動検査, 臨床検査などで特段の影響は認められなかつた.
3. 血清中濃度は, 1%群は検出されなかつたが, 3%群で2例, 5%群で4例にわずかに認められ, 平均最高濃度はそれぞれ0.38μg/ml (1hr後), 0.64μg/並 (2hr後) であつた. また5%反復投与では1例に単回投与時とほぼ同程度の血中濃度が認められた.
以上より少なくとも5%以下の濃度では安全性に特段の問題はないものと推定された.
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