耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
通年性アレルギー性鼻炎に対するテルフェナジンの効果
血液中ECPとの関係
荻野 敏浅井 英世石川 裕雄鶴田 至宏岡本 英之落合 薫吉田 淳一野瀬 道宏竹本 市紅赤埴 詩朗
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 41 巻 5 号 p. 801-810

詳細
抄録
42名の通年性アレルギー性鼻炎を対象にテルフェナジンの有効性を検討し, 同時にその作用機序の解明の一つとして血中ECP値を測定した. 著明改善14例, 中等度改善9 例, 軽度改善12例と中等度以上の改善率は56%, 軽度改善以上のそれは85%と優れた最終全般改善度が得られた. 症状別にも優れた効果が見られ, なんら副作用も見られず, 高い有用性を有していた.
32例のテルフェナジン投与前のECP値は16.7±10.4ng/mlであり投与後は 11.8±8.9ng/mlと有意に低下してい,. 特に著明改善例では有意に低下した. 重症例ほど投与前の血中ECP値は高値を示し, また血清ECP値と血液中好酸球数との間には有意な相関が認められ, 好酸球が高値ほどECP値も高い傾向が認められた. テルフェナジンは通年性アレルギー性鼻炎に対し有効であり, 好酸球の活性化の指標である血中 ECP値を低下させる作用を有していた.
著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top