今回われわれは, 中国の南京医科大学における大1・大4に対するカモガヤとブタクサの鼻アレルギーに関する調査によつて, 以下の事実を明らかにすることができた.
カモガヤは南京医科大学の存在する江蘇省では道端に多く見られるが, スクラッチテスト陽性率の高さもそれを裏付けていた. また, カモガヤをおもちゃにして遊ぶ習慣が日本と同じく中国にもあることを確認できたが, これはカモガヤ花粉症の感作に影響を与えているものと推測された.
ブタクサは陽性率が大4よりも大1で高かったが, 調査時期が大1では入学直後であるため, 各学生の出身地のブタクサ飛散量の反映かと推察された.
カモガヤ・ブタクサともその陽性率に性差を認めなかったが, これは前報告Dで述べたアレルギーの男女差の逆転がこの年代で生じていることを, 推測せしめた.