耳鼻と臨床
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ビデオを用いたカロリックテストの簡便な定量評価法
井上 裕章
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1998 年 44 巻 2 号 p. 129-134

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抄録
赤外線CCDカメラと家庭用ビデオ, モニタTVを用いた, 温度眼振最大緩徐相速度の簡便な測定法を考えた, モニタ上で, 角膜横径と10度の較正値はよく相関する (r=0.858, p<0.001) ので, その回帰直線を用いて, 角膜横径値より10度の較正値を予測できた. 真の較正値は予測値の±11%以内に存在する. ビデオのコマ送りを緩徐相で行い, 瞳孔中心の水平移動距離をモニタ上で用手計測した. この値とビデオの1コマが1/30秒であること, および10度の較正値の予測値より眼振緩徐相速度を計算した. 14人のめまい患者の20℃少量注水法による温度眼振をこの方法とENGにて同時記録し, 最大緩徐相速度を計測した. CPの判定について両者の結果は一致した (CP (+) 6例, CP (-) 8例). 瞳孔にまつ毛や眼瞼がかかる例でも, 本法では測定可能であつた.
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