耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
声帯内側頭筋膜自家移植のコツ
手術における問題点とその対策
角田 晃一
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 46 巻 3 号 p. 241-242

詳細
抄録

手術施行に際してはこれまでの経験から術後約3ヵ月間は自・他覚的に声の改善は期待できず。術後3-6ヵ月頃より、音声および発声持続時間の改善が認められる。考えられることは移植筋膜片が声帯内で結合組織として、何らかの変化を来しているものと思われる。この点がこれまでの音声外科手術との決定的な違いである。従って術前に十分なインフォームド・コンセントが必要である。声帯内側頭筋膜自家移植1) は現在のところ最長で27カ月の経過観察であり今後さらに検討を加える必要がある。長期経過での成績・問題点などいずれ報告する所存である。また、移植片が声帯内でどう変化するものか、今後の実験的考察が望まれる。

著者関連情報
© 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top