耳鼻と臨床
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当科における耳硬化症手術症例の検討
大輪 達仁宇良 政治野田 寛
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キーワード: 耳硬化症
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2001 年 47 巻 4 号 p. 243-246

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抄録

1989年から1998年の10年間における当科の耳硬化症初回手術45例65耳について検討した。年齢では10歳以下の小児が6例10耳と比較的多く見られたことが特徴的であった。聴力改善の成績判定案2000 (3分法にて気骨導差15dB、聴力改善15dB、聴力レベル30dB) での成功率は56耳86.1%、著明改善とした気骨導差10dB以内は42耳64.6%であった。術後時期別では、1-3カ月の時点で改善しており、その後もほぼ安定していた。術式はテフロンピストンを用いたstapedotomy (STO) が44耳と多かった。術後聴力レベルではstapedectomy (SDE) との差はなかったが、合併症の点でSTOが有利と思われた。削岩機使用者で術後3年後に外リンパ瘻による高度感音難聴例が1例あり、症例によっては術後長期例でも注意が必要と考えられた

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