耳鼻と臨床
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放射線喉頭軟骨壊死症例に対するPGI2製剤の使用経験
松原 尚子梅崎 俊郎安達 一雄小池 浩二平川 直也小宮山 荘太郎
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2002 年 48 巻 6 号 p. 391-396

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抄録
喉頭癌放射線治療後に放射線障害により喉頭壊死となり、その後喉頭を温存可能であった症例を経験した。症例は61歳男性、T2N0M0の声門癌であり、喉頭に68.2Gyの放射線照射治療を行った。照射中より副反応が強く、経過観察中に早期に壊死を発見可能であった。ラリンゴマイクロサージャリーによる壊死組織除去術、マクロライド系抗生剤とPGI2製剤の半量長期投与を行った。102日間の薬剤投与で、喉頭内の粘膜は上皮化した。現在喉頭癌治療後1年を経過するが、腫瘍の再発と壊死の再燃は認めていない。
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