抄録
高齢者の癌治療に関して、放射線療法や保存的加療などさまざまな意見があるが、当科では根治治療を原則とし、病期が進行したものについては外科的治療の適応を第一選択としている。今回、94歳、男性、右上顎歯肉癌症例に手術加療を施行した。術後経過は良好であったが、老人痴呆の発症と同時に高度の誤嚥性肺炎を来し、MRSA肺炎にて死亡に至った。超高齢者の誤嚥対策として、制御できるまで気管切開孔を閉鎖しない、もしくは、喉頭摘出も検討すべきであると思われた。また術後の譫妄を予防するために早期離床を促しているが、長期入院に伴う失見当識の発現予防にも注意を払う必要がある。