耳鼻と臨床
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植え込み型骨導補聴器bone anchored hearing aid (BAHA)
スウェーデン・イエテボリ大学における経験と治療成績
澤津橋 基広Anders TJELLSTRÖM井之口 昭
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キーワード: インプラント, 補聴器
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2003 年 49 巻 5 号 p. 323-333

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抄録
伝音性あるいは混合性難聴患者の対応の一つとして、補聴器装用は重要である。補聴器の中でも、植え込み型骨導補聴器bone anchored hearing aid (BAHA) は、EU諸国やアメリカなどの国々において、伝音性難聴や混合性難聴の治療の一つとして広く普及している。これまでにBAHA手術は、1万例以上の患者に対して行われ、良好な成績を出している。このBAHAの最大の特徴は、チタン製の移植片を側頭骨にじかに生着させるosseointegrationの概念を応用していることである。患側の側頭骨に直接チタン製インプラントを埋め込むため、補聴器にて増幅された音が、じかに側頭骨を介して内耳に伝わるようになっている。本論文では、スウェーデン・イエテボリ大学においての経験と治療成績を基に、BAHAについて、その適応、長所、問題点などを挙げ、考察を加え紹介する。
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