抄録
スギ花粉症に対する塩酸セチリジンの有用性について、大阪、徳島、岡山の3地区において2001年3月5日からの2週間に受診したスギ花粉症患者で、来院時点以前より塩酸セチリジンを服用している症例を対象としてSF-36を用いてQOLを測定し、その結果から多断層別分析によりセチリジン投与例におけるPCS、MCSの高いグループ、低いグループ分けを行った。その結果、PCSにおいて、男性で会社員・公務員のグループは平均よりも高く、女性で目のかゆみがたびたび以上で、50歳以上のグループは平均よりもスコアが低かった。また、MCSに関しては、眼のかゆみがときどき以下で、鼻づまりを感じない、男性のグループは平均よりも高く、眼のかゆみがたびたび以上で、鼻をかむ回数が11回以上のグループはスコアが平均よりも低かった。今回、多段層別分析を行うことで、セチリジン投与例において、SF-36のPCS、MCSのサマリー・スコアの高い群、低い群のグループ分けができ、有用であった。