ヒトをはじめ哺乳動物の摂食行動は、哺乳から咀嚼を伴う摂食行動へと発達する。哺乳行動は、吸畷と嚥下が組み合わさり、かつ呼吸とも連動する一連の運動である。今回、哺乳障害3症例で得られた嚥下透視検査と喉頭ファイバー検査の結果から、哺乳障害の病態について検討を行った。その結果、気道防御機構としての喉頭閉鎖機能の障害が、喉頭軟化症や嚥下反射遅延と一緒に存在すると、哺乳障害の原因になり得る。また、嚥下と呼吸の連動に支障があると、吸畷から嚥下までの一連の運動が崩れ、哺乳障害の原因になり得ることが示された。以上より、哺乳障害の病態を把握する上で、嚥下透視検査と喉頭ファイバー検査は重要である。