耳鼻と臨床
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めまいで発症した脳幹部海綿状血管腫の1例
菅村 真由美今村 明秀久保田 由紀子宮城 司道福崎 勉加藤 寿彦森園 哲夫堤 正則中川 尚志
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2007 年 53 巻 3 号 p. 163-167

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抄録

海綿状血管腫は比較的まれな疾患とされていたが、MRI導入以来発見されることが多くなった。初発症状としては、てんかん発作、けいれん、頭痛などが多い。今回、われわれは脳幹部の海綿状血管腫の出血が原因でめまいを発症したと思われる成人男性症例を経験したので報告する。症例は53歳、男性で主訴はめまい、嘔気であった。初診時は末梢性の頭位めまいと診断された。発症後6日目に左注視障害、瞳孔不整が出現したため、MRIを施行したところ、脳幹部海綿状血管腫と診断された。本症例のめまいは、延髄海綿状血管腫に起因する出血により生じたものと考えられた。

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