抄録
成人より手術が難しく、個人差が大きい小児後天性真珠腫性中耳炎48例を対象に、各症例の真珠腫病変の進行度や周囲病変程度を比較的簡単に表す新しい方式 (TAM) を考案し検討した。1. 今回のTAM方式で小児真珠腫性中耳炎のすべての例で側頭骨全体の病変を比較的簡単に表すことができ、個々の症例について比較検討が可能であった。2. 小児真珠腫性中耳炎の後上部 (PT) 型に比べて、中鼓室 (MT) 型や上鼓室 (AT) 型は高度進行例が多くみられた。3. 真珠腫病変が進行するほど周囲に対する影響も大きく、上鼓室や乳突洞の含気腔がなくなり軟部組織陰影が充満する例が多く見られた。4. CT検査で見られた小児真珠腫性中耳炎の軟部組織陰影は肉芽組織で充満している成人型とは違い、粘液の貯留・粘膜の肥厚・肉芽組織などが複雑に混在していた。今後この方式は、臨症応用として真珠腫性中耳炎の小児と成人、術前と術後などの比較検討に役立つと思われる。