耳鼻と臨床
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[第30回日本嚥下医学会]左利き被験者における命令嚥下時および自発嚥下時の脳磁場活動
長崎 信一橋詰 顕栗栖 薫谷本 啓二
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2007 年 53 巻 6Supplement2 号 p. S167-S173

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抄録

左利き健常者における命令嚥下時と自発嚥下時の大脳処理過程の差を明らかにするために、両嚥下時の脳磁場活動を計測し、θ、α、β、γの周波数帯域別事象関連脱同期 (ERD) の解析を行った。被験者は左利き健常成人6名、命令嚥下は光刺激の教示により、自発嚥下は自己ペースで行った。両嚥下とも、5名に嚥下開始-0.5-0sに頭頂葉でαERD、βERDを認め、頭頂葉が嚥下運動自体に関与している可能性を示唆した。また両嚥下とも運動野・運動前野にβERDを認めた。命令嚥下のみ4名で嚥下開始-1.5-1sに、右側中前頭回・下前頭回と側頭極のθERDを認め、命令嚥下と自発嚥下で脳内処理過程が異なる可能性が示唆された。

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