耳鼻と臨床
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聴器をめぐる体表面微細振動の知見
河田 政一
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1961 年 7 巻 3 号 p. 129-135

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抄録
MTを横紋筋線維の微細収縮を主体としてγ運動細胞の活動を自律神経支配の下に考察すれば, 何よりもこの現象は何等の負荷を与えることなく容易に体表の任意の個所から得られ, 然かも之を左右体側より誘導するならば自律神経機能の臨床的他覚的観察に資すること大きい.
聴覚的には音響の強さを閾値上増大した場合に個体の聴器のSusceptibilityの特異性に関連した傾向を窺う手段にも応用出来る. 又実験的温熱性前庭迷路刺激により生ずる個体の眩暈症状とMTの消長は略々平行する傾向を他覚的に認めた.
正常成人に於て頭部捻転に対応して上肢筋の緊張性頸反射に原則的に一致するMT記録波形振幅の変動を認め得た.
なおメニエール症例で無負荷検査の左右側のMTを誘導記録することにより認められた両側差異の発現について見解を述べた.
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