2021 年 124 巻 3 号 p. 218-224
X 連鎖性ミオチュブラーミオパチーはまれな先天性ミオパチーであり, 生下時より呼吸・哺乳障害のため NICU 管理を要する例が多い. 医療技術の進歩により長期生存例が報告される一方, 経過中に発症する側彎や呼吸・嚥下障害, 胃食道逆流などの対応が課題である. 症例は16歳男性. 11カ月前, 高度側彎に対する脊柱後方固定術後に血気胸となり気管切開を受けると共に嚥下障害が増悪, 胃食道逆流が出現した. また, 気管カニューレ不適合も合併していた. 胃食道逆流を制御しつつ気管孔位置の修正, 輪状咽頭筋切断術を行った. 術後, 発声・経口摂取が可能となった. 病理所見で輪状咽頭筋に限局した高度線維化が指摘された.