日本耳鼻咽喉科学会会報
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突発性難聴の予後の回帰分析
泰地 秀信神崎 仁
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1988 年 91 巻 7 号 p. 1023-1030

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抄録

1) 突発性難聴における聴力回復の指標として,改善率(聴力の改善度/患側と健側との聴力の差)という概念を導入し検討した.この値は量的であり,従来の判定法と比べ統計解析が行いやすいという利点をもつ.
2) 低年齢•発症後早期•めまい(-)•初診時聴力良好•低音障害型のものほど改善率は高かった.
3) 偏相関係数の大きさは,めまいの有無,高-低音差,初診時聴力,来院までの日数,治療法,年齢の順であった.
4) 重回帰分析の結果では,年齢•来院までの日数•初診時聴力•高-低音差で改善率は26%予測可能である.
5) 改善率と高-低音差の相関図をみると,2つのクラスターに分かれるようであった.この意味は今後検討の予定である.

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