日本耳鼻咽喉科学会会報
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最近の10年間の進行性鼻壊疽症例
八田 千広石田 稔松本 達始杉山 視夫牧野 伸子虎頭 廉
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1993 年 96 巻 6 号 p. 879-885,1045

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抄録

最近10年間に当科を受診した進行性鼻壊疽症例は男性15例女性3例, 計18例を認め全頭頸部悪性腫瘍患者の5.6%を占めていた. 初発症状より治療開始までの期間は平均9.1カ月で治療は放射線治療と化学療法 (COP, CHOP, AMCOP-B) の併用を基本に行った. 18例中13例 (72.2%) が原病死し, Kaplan-Meire法による5年累積生存率は15.7%であった. また原病死症例13例中6例は局所制御されていた. 剖検例14例の検討を行った結果腫瘍細胞はleukemicに多臓器浸潤しており肝 (92.8%), 肺 (92.8%), 脾 (71.4%) に多く浸潤を認めた. 15例に対し免疫組織化学的検討を行った結果, 腫瘍細胞はL26, CD43, LeuMl, MAC387はすべて陰性で, UCHL-1は5例陽性, Lysozymeは10例陽性, Ki-1は全例陽性であった.

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