ラットおよびヒト翼口蓋神経節における神経ペプチドの分布を免疫組織化学的手法により検討した. ラットでは, 99%の神経節細胞がVIP陽性, 54%がNPY陽性, 11%がENK陽性であった. 神経節細胞の周囲にvaricosityをもつSP, CGRP, ENK, NPY陽性神経線維が認められた. SP, CGRP, ENK陽性神経線維が神経節細胞とシナプスを形成していた. SP, CGRP陽性神経線維は, 知覚神経軸索側副枝と考えられ, ENK陽性神経線維は副交換神経節前線維由来と考えられた. ヒトでは, ほとんどすべての神経節細胞がVIP陽性であった. また, 神経節細胞の周囲にvaricosityをもつVIP, SP, CGRP, NPY, ENK陽性神経線維が観察された.