日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
ラット, ヒト翼口蓋神経節における神経伝達物質の免疫組織化学的研究
本杉 英昭
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 96 巻 6 号 p. 936-945,1047

詳細
抄録

ラットおよびヒト翼口蓋神経節における神経ペプチドの分布を免疫組織化学的手法により検討した. ラットでは, 99%の神経節細胞がVIP陽性, 54%がNPY陽性, 11%がENK陽性であった. 神経節細胞の周囲にvaricosityをもつSP, CGRP, ENK, NPY陽性神経線維が認められた. SP, CGRP, ENK陽性神経線維が神経節細胞とシナプスを形成していた. SP, CGRP陽性神経線維は, 知覚神経軸索側副枝と考えられ, ENK陽性神経線維は副交換神経節前線維由来と考えられた. ヒトでは, ほとんどすべての神経節細胞がVIP陽性であった. また, 神経節細胞の周囲にvaricosityをもつVIP, SP, CGRP, NPY, ENK陽性神経線維が観察された.

著者関連情報
© 日本耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top