日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
高齢者における視標追跡と重心・頭部動揺 (第2報)
一点固視と正弦波追跡と二点交互視
後藤 昭信
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 96 巻 8 号 p. 1270-1278,1389

詳細
抄録

smooth pursuitとsaccadeが身体動揺に及ぼす影響の違いを明らかにし, さらに高齢者の身体動揺の特徴を知るために若年者の結果と比較, 検討した. 視標追跡の条件として0.1Hzの速度の遅い正弦波追跡によりsmooth pursuitを, 同速度の二点交互視によりsaccadeを誘発した. 重心と頭部の動揺の両面から, 眼球運動負荷時の身体動揺を一点固視時の身体動揺と比べ, 以下の結果を得た. 1) 高齢者も対照群と同じような眼球運動からの影響があることが明らかになった. 2) 高齢者は対照群に比べ相対的に頭部の動揺が大きいことがわかった. 3) 高齢者では重心動揺の前後方向に加齢変化を認めた.

著者関連情報
© 日本耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top