日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報
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Print ISSN : 2436-5793
原著
短期滞在で行う粘膜下下甲介骨切除術・後鼻神経末梢枝切断術
川村 繁樹河本 光平
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2023 年 126 巻 2 号 p. 146-153

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抄録

 通年性アレルギー性鼻炎に対する粘膜下下鼻甲介骨切除術・後鼻神経末梢枝切断術の長期成績, 合併症, 安全性を評価し, 本術式の有効性および日帰り局所麻酔下で行うことが可能かを検討した. 本術式を施行し3~16年経過した101例のアンケートによる回答では, くしゃみ79%, 鼻汁83%, 鼻閉97%, 日常生活の支障度89%の有効率であり75%の症例に効果の持続性を認めた. 術後出血の頻度は0.6%と少なく, 過去2年ではシアノアクリレート注入酸化セルロースの留置により出血例は認めていない. 長期合併症でも日常生活に支障を来すような重篤なものは認めなかった. 局所麻酔下においても術中疼痛は軽度で, 術中出血は少なく, 手術時間も短く, 粘膜下下鼻甲介骨切除術・後鼻神経末梢枝切断術は局所麻酔下の日帰り手術で施行し得ると考えられた.

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