本症例は, 名称が類似するトリクロリールシロップとトリクロロ酢酸 (trichloroacetic acid: TCA) が外来で取り違えられ, 乳児に強酸性薬剤が誤って内服投与された事例である. 投与直後より口腔粘膜白濁と喉頭粘膜障害を認め, 早期に挿管管理を行った. 喉頭浮腫は48時間でピークに達し, 一過性心停止を呈したが, 多職種による集学的治療により良好な転帰が得られた. 誤投与の要因として, 類似名称薬剤 (LASA), 薬剤管理体制, 確認作業の形骸化が関与していた. 再発防止策として薬剤管理方法の改善, 名称表記の変更, 教育体制の強化, 院内外での情報共有を行った. 本症例は乳児化学損傷の急性期管理と医療安全の観点から重要な示唆を与える.
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