2024 年 127 巻 3 号 p. 155-157
手術解剖の理解, 手技の習得のために最も有用なトレーニングのひとつである Cadaver Surgical Training(CST) は, 生体再現性の高い Thiel 法などの解剖体固定法の進歩により, 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域全般の手術研修に広がりを見せている. 本邦の CST は無償の献体者の善意で成り立っているため, 計画, 実施を行う際には高い倫理性を持って臨む必要がある. そのためには「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」に沿った適切な運用がなされなければならない. 各大学で CST に係る専門委員会が構築され, ガバナンスを発揮した適切な運用が行われることが強く望まれている.