耳鼻咽喉科臨床
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聽器の瞳孔反射に及ぼす影響に就ての實驗的研究
第三篇 音刺戟による瞳孔反射に就て
島田 靜男
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1937 年 32 巻 4 号 p. 314-327,297

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抄録
音剌戟により反射性に散瞳を現はす事實は既に先學者によりて證明せられたる所なり. 然れども其反射現象に就て詳細なる觀察を遂げたるものなし. 余は家兎に就てエーデルマン, ガルトン笛に一定の吹笛壓を加へて發する同一強度の種々の音階の一過性音或は10秒持續性音を剌戟音として剌戟耳側と同側の瞳孔反射を觀察せり. 尚又一側外聽道を閉塞し他側を開放せる動物或は兩側外聽道を開放せる動物に就て片側より種々の音剌戟を與へて兩側瞳孔の反應を比較觀察せり. 斯くして剌戟音階の高低, 刺戟音の持續時間並に刺戟音と外聽道との距離等によりて出現する瞳孔反應に一定關係の存在するを認めたり. 更に又家兎に於ける音響性瞳孔反射の適合剌戟を知るべく各種別の發音器を撰擇し最も顯著なる瞳孔反應を惹起し得る音は突發性高調の強音にして且持續性なるを確めたり.
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