耳鼻咽喉科臨床
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耳鳴症92例 Oxazolam での検討
細川 智大野 吉昭北條 和博相馬 博志鳥居 智子猪 初男
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1979 年 72 巻 8 号 p. 1047-1057

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抄録

1. 耳鳴を訴えた92例115耳に, Oxazolam (1錠10mg) 1日3錠と Hydergine (1錠1mg) 1日3錠を投与し, 耳鳴の自覚的 score より著効18耳, 有効18耳, 軽快44耳, 不変 (無効) 35耳で, 有効率60.5%の成績を得た.
2. 耳鳴遮蔽検査からの効果判定では, 著しい改善20耳, より改善5耳, 改善10耳, 不変76耳, 悪化5耳で本検査による有効率は30.4%であった.
3. 自覚的 score の判定と遮蔽検査の判定との相関をみると, 両判定とも一致したのは115耳中66耳, 57.4%であった.
4. 遮蔽検査で不変と判定された76耳中, 自覚的に耳鳴か軽減したのが44耳あり, 他覚的には余り変化を認めにくい耳鳴症にあっても, Oxazolam と Hydergine の投与により半数以上のものが自覚的に耳鳴が軽減していた.

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