農学国際協力
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収量関連遺伝子と白葉枯病抵抗性遺伝子の戻し交配によるピラミディング系統の評価
山田 修土黒川 裕介永井 啓祐Rosalyn B Angeles-Shim安井 秀古屋 成人吉村 淳土井 一行芦苅 基行春原 英彦
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2020 年 18 巻 p. 18-28

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抄録

イネ収量関連遺伝子WFPは、一次枝梗数増加による着粒数増加をもたらす。IR24に白葉枯病抵抗性遺伝子群(Xa4、xa5、xa13、Xa21)を集積したIRBB60へ、ST-12が持つWFPの導入を行った。IRBB60を反復親とした戻し交雑後代BC2F2とBC2F3世代で、DNAマーカーの利用と一次枝梗数を含む収量形質の評価から、3ピラミディング系統(PL-1、PL-4、PL-5)を選抜した。BC2F4において、これらはWFPによる一次枝梗数と着粒数の増加を示したが、4白葉枯病抵抗性遺伝子の集積が不完全で、白葉枯病レース群への反応の差が見られた。しかし、PL-5はIRBB60よりも収量増加が見込まれ、今回供試した白葉枯病レース(ベトナム、ミャンマー、インド由来6レース)の内5レースに対して抵抗性を示したことから、PL-5は東南アジアの熱帯地域での展開を見込んだ候補系統となり得ると考えられた。

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