抄録
地方を中心に人口減少や少子高齢化が進む中、地域産業の担い手不足や行政サービスの維持など、地域社会には多様な課題が山積している。その中で、持続可能な地域社会を形成するには、デジタル技術の実装による省力化や地域活性化を通じた地域社会課題の解決が重要である。しかし、その推進にあたってはデジタル人材が質・量ともに不足していることが課題である。一方で、高校教育の現場ではデジタル化が進み、デジタルスキルを備えた高校生が多く存在する。本研究は、こうしたデジタルスキルを備えた高校生を地域のデジタル推進の担い手として位置づけ、岐阜県高山市をフィールドに、高校生による地域データ利活用や地域住民のデジタル支援を実践した。そして、これらの活動に高校生が参画することによる教育的効果と、地域のデジタル推進に対する有効性を検証した。その結果、高校生によるデータ分析や住民・事業者へのデジタル支援は、市職員や住民等から高い評価を得るとともに、事業者のSNS運用への寄与など、地域のデジタル推進に対する実用性が確認された。また、これらの活動は高校生にとって地域社会と関わる機会となり、地域課題への関心の向上も確認された。